「学校再開」...環境整備急ぐ 経済負担を軽減、安全確保へ連携

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通学路を点検する関係者。参加者からは防犯灯の増設や見守り体制の確立などを求める指摘が上がった=南相馬市小高区

 東京電力福島第1原発事故による避難指示が解除された地域で、学校再開に向けた準備が進む。古里に再び子どもの声が戻るためにどうするか―。関係者は対応を急いでいる。

 「心配がないわけではないが『友達と一緒に楢葉の学校に通いたい』という子どもの思いを第一に考えたい」。4月から楢葉町の小学校に通う予定の子どもを持つ40代の父親は、通学先を選んだ理由をこう語る。

 町と町教委は、避難先のいわき市の仮設校舎で楢葉北小、楢葉南小、楢葉中の授業を行ってきたが、4月から町内の楢葉中校舎に戻って授業を再開させる。

 ◆◇電車、バス通学

 町教委によると、現時点で小学生約50人、中学生約40人の計約90人が通学を希望している。全員がスクールバスで通学する。このうち10人前後がいわき市からJR常磐線で電車通学し、広野町の広野駅からスクールバスに乗り継ぐ。通学時間は約40分を見込んでおり、引率者を同乗させて安全確保に当たる。

 楢葉町内での学校再開に当たり、町教委は給食費と通学で使う電車代を全額支援する方針だ。保護者の経済負担を軽減し、通学を後押しする狙いがある。

 放課後の居場所づくりとして、子どもたちを集めて地域の大人と勉強や運動を行うほか、民間塾と連携して学習支援も始める。

 松本幸英町長は町内での学校再開に向け強い意欲を示す。「避難先の学校より楢葉の方が良いと思われる学習環境をつくっていく」

 ◇◆異なる景色

 「この道には防犯灯は?」。南相馬市の学校や市教委、南相馬署、小高区役所の職員らが20日、同市小高区のJR小高駅から小高小、小高中、小高工高までの道のりを実際に歩きながら安全点検した。交通対策や防犯面、車道や歩道の整備状況などを念入りに確かめた。

 原発事故による避難指示が昨年7月に解除された小高区。小、中、高校は現在小高区外で授業を行っているが、新年度からは小高での授業が再開する。

 避難指示解除後、これまでに帰還した住民は1000人超で、帰還率は約1割。地震によって被害を受けた建物などは解体され、震災前とは異なる景色が広がる。保護者からは登校に関して「何かあった場合、子どもたちを守れるだろうか」と懸念の声が上がっていた。

 南相馬署の大津聡生活安全課長は「帰還した住民らに、見守り活動をお願いしていくことになるだろう。子どもたちの安全確保に向け、連携を図っていきたい」と意気込む。