浪江・請戸漁港で「コウナゴ」水揚げ 原発20キロ圏内加え初出漁

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次々と水揚げされるコウナゴ=13日午前10時14分、浪江町・請戸漁港

 相馬双葉漁協は13日、今季のコウナゴの試験操業を始めた。東京電力福島第1原発から10~20キロ圏を操業海域に加えての初の出漁となったが、圏内に目立った魚群はなく、漁船は圏外の相馬沖で漁獲した。コウナゴは原発事故後初めて相馬市の松川浦漁港の市場で入札にかけられ、最高値は1キロ当たり920円のご祝儀相場となった。漁協による放射性物質検査では、いずれの検体も検出限界値(1キロ当たり12.5ベクレル)を下回った。

 小型船66隻が出漁し、約9トンを水揚げした。浪江町請戸地区の9隻も漁に出て、原発事故後初めて母港の請戸漁港に約890キロを水揚げした。南相馬市小高区から同市鹿島区に避難する今井亨夫さん(56)は昨年3月に新造した恵比寿丸(4.9トン)で家族らと出漁。「一歩でも二歩でも前進したと思う。まだまだ漁港の施設は整っていないが、請戸に入れたということだけでも今はいいのかもしれない」と前を向いた。

 松川浦漁港で入札にかけられたのは相馬市原釜地区などの漁師が漁獲した約7トン。水産加工会社2社が参加し、ご祝儀相場について佐藤水産の佐藤喜成社長(64)は「西日本で不漁だということも考慮した」と説明、落札したコウナゴを「(加工後の)20日ごろに出荷したい」と話した。

 試験操業で取れた魚介類はこれまで、買い受け人の組合が漁業者と相対で値段を決めていたが、入札が始まったことで卸業者や小売業者が個別に仕入れて出荷することになる。漁協によると、4月から入札の対象になる魚介類が増える見通しのため、20~30社が参加するという。