「福島への偏見」負けない教育を 早野東大教授が必要性訴え

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本県での6年間の活動を振り返った早野教授=15日、東大

 東京電力福島第1原発事故後、県内で被ばく検査などに取り組んできた物理学者の早野龍五東京大教授(65)が15日、東大で最終講義を行った。早野氏は自身のこれまでの研究活動を振り返るとともに、放射線を巡る「福島への偏見」に負けない教育の必要性を訴えた。

 早野氏は物理学者としてスイス・ジュネーブの研究所などで取り組んできた研究内容について語った。原発事故直後からツイッターで情報を発信、県内に来て給食の放射性物質検査や外部、内部被ばく検査を行ったり、乳幼児用の内部被ばく検査装置「ベビースキャン」を開発したことなどを紹介した。

 県内で研究や支援活動を始めた理由については「物理学者として国から多額の研究費を受けて研究を続けてきた。研究を支えてくれた納税者に恩返ししたいと思っていたが、原発事故が起きて『今がその時ではないか』と考えた」と述べた。県内での活動は寄付金で支えられており、その総額が2200万円に上ることを明らかにした。

 受講者から今後必要な教育について問われると「福島の若者が根拠のない偏見にさらされた時、自信を持って『そうではない』と言えるようにして県外に送り出すことが大事。福島の教育関係者はそれを強く認識してほしい」と語った。