世界発信へ期待!いわき企業×独工科大...医学分野で共同研究

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 半導体製造のピュアロンジャパン(いわき市、中島秀敏社長)と、県が医療機器分野で覚書を結ぶドイツ・ノルトライン・ウェストファーレン(NRW)州のアーヘン工科大は、国内では人工透析の治療を目的に開発を進めている同社の技術を新たな分野に活用する共同研究に乗り出す。

 同社は、液体に溶け込んだ水素の濃度を、液体に触らずに測ることができる世界でも珍しい技術を持っており、「メード・イン・福島」の技術の世界発信が期待される。

 同社幹部が訪独しており、20日に協定を結ぶ予定。共同研究の詳細は締結後に詰めるが、同社などによると、医療分野で注目されている、臓器移植などの際に臓器を長期保存するための溶液の研究なども見据え、幅広い分野での活用を目指すとみられる。共同研究の中で、昨年11月に郡山市に開所した「ふくしま医療機器開発支援センター」が活用される可能性もある。

 同社が製造する水素濃度モニターは、国内の病院で、透析患者に供与する透析液の水素濃度を測る装置として試用を開始している。透析液をつくるのには時間がかかり、1回の治療で浴槽一つ分以上の量が必要になる。通常、水素濃度測定時には液を抜かなければならないため、透析液が無駄になったり、患者を待たせてしまうケースがある。同社の技術がこうした問題を解消し、4時間ほどかかる透析の間、連続して濃度を監視できる。

 同社が昨年、NRW州で開かれた医療機器展示会に出展し、この技術を紹介したことを機に、同大医学部から共同研究を打診された。県とNRW州の覚書に基づき、県内企業と海外の大学が共同研究を行うのは初めて。県も、独トップクラスで、医学分野で世界的にも知名度が高い同大と共同研究を行う意義は大きいとみている。同社の担当者は「福島発の医療機器の力を世界に発信できれば」と話している。