「からすや食堂」新店舗4月11日オープン いわきの浜風商店街終了

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浜風商店街解散の寂しさと新店舗への希望を胸に、移転前最後の営業を迎えた遠藤さん夫妻

 東日本大震災による津波などで甚大な被害を受けたいわき市久之浜町で、被災事業者らが復活への拠点としてきた仮設商店街「浜風商店街」が3月31日、約5年半にわたる営業に幕を下ろす。久之浜で店舗を再建する「からすや食堂」の遠藤義康さん(58)、貴美さん(56)夫妻は同商店街での最後の営業日となった23日、商店街仲間と支え合った日々や支援を思い返した。

 「いざ終わりとなると感慨深いね」。夫妻は口をそろえた。オープン以来、休んだのは10日間だけだった。「遠くから来てくれて営業していなかったら申し訳なくて」。全国各地に常連客ができたという。

 久之浜の沿岸部は津波と火災で壊滅状態となり、半世紀の歴史がある、からすや食堂も全焼した。多くの店が被災した中、同商店街は2011(平成23)年9月に、地域再生への一歩として久之浜一小の校庭にオープンした。「勢いで始まって、あっという間だったな」と義康さん。貴美さんは「大変だったけれど、楽しめる雰囲気にしてくれた」と感謝する。

 5年半の日々は商店街仲間だけでなく、久之浜一小の子どもたちと共にあった。毎朝、営業前に児童を出迎えた。オープン当時の1年生は、もう6年生。移転前最後の営業は偶然にも卒業式と重なった。「自分たちも卒業なんだよな」。義康さんは寂しそうに笑いながら、包丁を持つ手を動かした。

 一方で、4月11日にオープンする新店舗への希望も膨らむ。久之浜にボランティアで訪れていた設計士が手掛け、久之浜町久之浜字北町に、木材を生かした温かみある店舗が完成した。「寂しいけれど、オープンに向けてやることがたくさんある」