牛の鳴き声に『復活』を期す 葛尾村の農家、6年ぶり畜産再開

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「復興の第一歩」。自らの牛舎で畜産を再開した松本さん=25日、葛尾村

 葛尾村で今月から、東京電力福島第1原発事故から6年ぶりに畜産が再開されている。「復興の第一歩」。農家たちは懐かしい牛の鳴き声を聞き、村の基幹産業復活を期している。

 同村によると、震災前には約100世帯が牛を育てていた。原発事故による避難指示で、牛は売られたり、田村市の飼育施設への避難を余儀なくされた。昨年6月に避難指示が一部を除いて解除され、農家は牛舎の放射性物質検査を受けるなど再開の準備を進めていた。

 25日、同村の牛の繁殖農家松本邦久さん(57)の牛舎では、久しぶりに牛の元気な鳴き声が響いた。避難していた親牛4頭が帰ってきただけでなく、避難先で生まれた子牛3頭も連れてきた。松本さんは「ほっと一息。復興の第一歩」と、一安心した表情を浮かべた。

 同村出身の松本さん。40代のころ、村外から「Uターン」して親の畜産業を継いだ。震災では三春町に避難。避難指示解除に合わせて、再び村に戻ってきた。「飼育の感覚を取り戻すのに時間はかかると思うが、とりあえずやってみないと始まらない」と表情を引き締めた。

 同村は2017(平成29)年度中に、避難している全ての牛の帰還を目指している。全て戻ると、計24世帯が畜産を再開できるという。