争点は「大津波の予見性」 東京電力旧経営陣・強制起訴で協議

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 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された勝俣恒久元会長(77)ら旧経営陣3人の裁判で、証拠や争点を絞り込む公判前整理手続きの第1回協議が29日、東京地裁(永渕健一裁判長)で開かれた。争点や証拠の整理を行い、事故を引き起こした大津波の襲来を3人が事前に予見できたかどうかが争点となることが確認された。

 他の2人は、いずれも東電の原子力・立地本部長を務めた武黒一郎元副社長(71)と武藤栄元副社長(66)。地裁によると、この日の協議に3人は出席せず、永渕裁判長、検察官役の指定弁護士、3人の弁護人らが話し合った。次回協議は4月28日午後4時から。

 過去の強制起訴事件のうち、尼崎JR脱線事故や明石歩道橋事故は、公判前整理手続き開始から初公判までに1年以上かかっており、今回も相当な時間を要するとみられる。

 起訴状によると、3人は大津波を予測できたのに原発の運転を継続。2011(平成23)年3月11日の東日本大震災に伴う津波で原発が水素爆発し、自衛官ら13人にけがを負わせたほか、大熊町の双葉病院の入院患者に避難を余儀なくさせるなどして44人を死亡させたとしている。

 東京第5検察審査会が15年7月、「原発事業者は万一の災害に備える注意義務がある」と指摘し、3人を起訴すべきだと議決。検察官役の指定弁護士が昨年2月、強制起訴した。