原発事故時・4歳男児に「がん」確認 甲状腺検査・経過観察後

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 東京電力福島第1原発事故後に県と福島医大が実施している甲状腺検査に関して、甲状腺がんを発症した子どもを支援する民間の「3・11甲状腺がん子ども基金」(東京)が31日、甲状腺検査後に経過観察中だった事故当時4歳の男児にがんが確認され、手術を受けていたと発表した。県は制度の対象外として公表していなかった。同基金側は男児に療養費として10万円を給付した。

 原発事故の国会事故調査委員会の委員を務めた同基金の崎山比早子代表理事が31日、東京都内で記者会見し「健康調査に漏れがあることがはっきりした。原発事故の影響がないというこれまでの説明の根拠が崩れかねず、大きな問題だ」と指摘した。

 県は2011年から、事故当時18歳以下だった県内全ての子どもを対象に甲状腺検査を実施。専門家による検討委員会で結果を報告している。これまでにがん、もしくは疑いがあるとされたのは当時5~18歳だった184人のみだった。

 基金によると、男児の両親から療養費給付の申請を受け、今月に入って検査を担当する福島医大に確認したところ、「4歳以下の例はない」と回答されたという。

 基金はその後、男児の両親と面談し、診療報酬の明細書などで男児が福島医大で甲状腺の摘出手術を受け、通院治療中であることを確認した。

 県は「検査で『経過観察』となり、通常の保険診療に移ったケースは反映されていない」(県民健康調査課)と釈明した。福島医大の広報推進室は「プライバシーに関わるため、診療を受けた患者がいるかどうかも含め答えられない」としている。