「富岡」避難解除...夢見た町での生活 災害公営住宅50戸完成

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竹灯籠の明かりで浮かび上がった「富岡は負けん!」のメッセージ

 東京電力福島第1原発事故で富岡町に出ていた避難指示の解除(帰還困難区域を除く)を控えた31日、町内で災害公営住宅の竣工(しゅんこう)式が行われた。富岡川にはサケの稚魚が放流され、関係者が新たな歩みを始める町の姿を重ね合わせた。

 富岡町が復興拠点とする同町小浜の曲田(まがた)地区に建設を進めてきた初めての災害公営住宅50戸が完成し、現地で31日、竣工式が行われた。1日から住民の入居が始まる。

 東日本大震災の地震と津波で家を失った人や住宅の解体除染に同意した人、帰還困難区域に自宅がある人が入居できる。生活の利便性が高い復興拠点に住環境を整えることで帰還を後押しする狙いがある。大和ハウスグループが施工した。

 1期分で完成したのは平屋(2LDK)40戸と2階建て(3LDK)10戸の計50戸と集会所1棟。町は2期分として曲田、栄町両地区で一戸建て住宅14戸、集合住宅2棟90戸の計104戸の建設に着手しており、今年中の完成を目指す。

 宮本皓一町長が「みんなでコミュニケーションを取り、古里での生活を再開してください。富岡再生、発展の先駆者として安全で活力あるまちづくりに協力してほしい」と述べた。宮本町長、塚野芳美町議会議長らがテープカットして完成を祝った。

 住民有志が追悼の「竹灯籠」

 富岡町の避難指示が帰還困難区域を除いて1日に解除されるのに合わせ、住民有志が31日夜、震災で犠牲になった人を悼むため、同町の双葉署北側の公園で「富灯(とみあか)り」と題したイベントを開いた。小雨の中、3000個超の竹灯籠のやわらかな光により「富岡は負けん!」「感謝」「追悼」のメッセージが浮かび上がった。

 手作りの竹灯籠に明かりがともされる中、参加者が感謝の気持ちを確かめ合い、未来に向かって古里を再生させる決意を新たにした。公園には、震災で殉職した警察官を乗せたパトカーが展示されている。