農作業中死亡...全国の2倍 9割が高齢者、福島県緊急対策へ

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 2006(平成18)~15年の10年間に県内で発生した農作業中の死亡事故件数が153件となり、全国平均の約2倍に上ったことが4日、県の調査で分かった。亡くなった人の約9割が65歳以上の高齢者。震災と原発事故が農業離れの追い打ちとなり、本県農業が高齢者に頼らざるを得ない現状が浮き彫りとなった。

 農業の担い手不足が年々深刻になる中、県は本年度から3年間を重点期間と位置付け、地域ぐるみの緊急対策を講じて死亡事故の減少を目指す。県が4日、福島市で開いた県農作業安全運動推進会議で事故の実態報告と緊急対策を示した。

 10年間の累計は、県内建設業の労災死亡事故の110件(福島労働局集計)より43件多い。16年度分は速報値のため、10年間の累計は06~15年を基に算出した。県内の年間発生件数は、全国平均の8件よりほぼ高い水準で推移している。

 県はこれまで、農作業死亡事故が多発するたびに警報を発令、JAなど関係機関と高齢者などに対する啓発活動を展開してきたが、歯止めになっていない。

 今回示した緊急対策では、モデル地区を県内3カ所に設置。地元自治体やJAなどと連携した集中的な啓発活動、地域ぐるみの声掛け運動を従来より拡充するほか、県警交通企画課や県生活交通課など農業の垣根を越えた部局も連携し、講師派遣など支援する。

 また、繁忙期に農作業を手伝う家族が死亡するケースもあり、対象を女性や新規就農者らに拡大し、安全研修や情報共有の充実などの対策を強化する。県内14の農業普及所単位に設置した地域協議会を中心に、効果的な安全対策の普及やJAの営農指導員ら農作業安全アドバイザーの資質向上を図る。県は「作業前や作業中、しつこいぐらいに声を掛け合う環境をつくり、死亡事故を減らしたい」(農業担い手課)としている。