夜の森の桜の下で会いましょう 8日、富岡で「復興の集い」

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「復興の集い」を前に町民を歓迎するかのように、咲き始めた夜の森地区の桜並木=7日午後

 東京電力福島第1原発事故による避難指示が1日に帰還困難区域を除き解除された富岡町で8日、富岡二中周辺を7年ぶりに歩行者天国として「復興の集い2017」が開かれる。集いに合わせるように、町の桜の名所として知られる夜の森地区の桜も開花。「咲き始めた桜のように、富岡の復興をスタートさせたい」。町民の心のよりどころだった桜並木の下でようやく実現する集いに、多くの町民が将来の希望を託す。

 町内が春らしい陽気に包まれた7日。朝方までの雨が上がると、夜の森地区の桜並木では、ピンク色に膨らんだつぼみが少しずつ花を開き始めた。「桜を一気に咲かせるような踊りを披露し、夢を見られる時間と場所にしたい」。集いに出演するチーム富岡さくらYOSAKOI代表の伊藤孝さん(47)は桜並木の下、演じるよさこい踊りに高揚感を隠せない。

 震災前は恒例の「夜の森桜まつり」に合わせ、各地の団体が集う「さくらYOSAKOI」を開催していたが、休止が続いている。今回はメンバー約10人が演舞を披露する予定で「復活に向けたきっかけにしたい」と意欲を燃やす。

 本番前日、関係者が慌ただしく会場の設営などに汗を流した。桜並木のライトアップを復活させた、まちづくり会社の一般社団法人「とみおかプラス」はヘリコプターの遊覧飛行や桜絵馬作りなどの独自イベントを同時展開する。PRの看板を掲げた代表理事の大和田剛さん(64)は「少しでも富岡に関心を寄せ、今後の富岡を見つめてほしい」と、今回を契機に支援の輪が広がることを願う。

 2013(平成25)年、町は避難で散り散りになった町民同士が交流する場を提供し、絆を確かめ合おうと企画。14年以降も毎年開催してきたが、メイン会場は広野町だった。宮本皓一町長は「町民は6年間、古里の桜並木を思い出して避難生活を送ってきた。町民と一緒に富岡で桜の開花を迎えられて感慨深い」と語った。

 夜の森地区に約2.2キロ続く桜並木の大部分は帰還困難区域で今も立ち入りが制限され、歩行者天国で自由に歩けるのは0.3キロにとどまる。しかし、町は避難指示解除でようやく実現した集いの地元開催を「本格復興と帰還へのキックオフ」と位置付ける。町産業振興課の門馬健さん(33)は、数輪の花が開いた桜の木を見上げ、こう願いを込めた。「これからスタートする町の復興と桜が咲き誇るように重なり合ってほしい」