南会津に希少植物・苅安の草原確認 福島大研究メンバー調査

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 福島大大学院共生システム理工学研究科の薄井創太さん(22)は12日、南会津町の高清水自然公園ひめさゆり群生地に、全国でも希少な植物「オオヒゲナガカリヤスモドキ」の草原が広がっていることを確認したと、大学の定例記者会見で発表した。研究メンバーは同町に保全に向けた取り組みを提言した。

 昨年度、町からの受託事業で数ヘクタールに及ぶ群生地の植物を調査した。発表によると、オオヒゲナガカリヤスモドキは苅安(かりやす)という植物の一種で、中部地方では伝統的にかやぶき屋根の材料として使われ、南会津地域では屋根材以外にも馬の飼料やからむし畑の焼き草などに利用された。戦後に利用されなくなったことから放置され、ほとんどが消失し、確認できる範囲では全国に5カ所しか残っていないという。

 薄井さんらは、草地が林に変わってしまうのを防ぐため、ここ数年中断されていた「火入れ」(山焼き)や草刈りを再開することや、貴重な草原についての広報、刈り取ったオオヒゲナガカリヤスモドキを伝統的建造物の補修などに活用して観光や文化の振興につなげることなどを町に提言した。町は「5月中旬にも火入れを行いたい」としている。

 研究メンバーの黒沢高秀福島大共生システム理工学類教授は「日本で数カ所しかない重要性を広く知ってもらいたい」と話した。