収量増や労働時間短縮効果 会津若松でスマートアグリ実証事業

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イチゴの実証事業に着手している手代木さん(右)と妻の浩美さん。タブレット端末で土壌の状況などを確認している=会津若松市北会津町

 情報通信技術(ICT)を活用した園芸作物の養液土耕栽培を進めている、会津若松市の「スマートアグリ実証事業」が軌道に乗ってきた。2年目となった2016(平成28)年度は、収量増加や品質向上、労働時間の短縮などの効果がみられた。

 実証事業では、「経験」や「勘」に頼ってきた作業内容をICTでデータ化する。センサーで土壌の水分量、日射量、肥料濃度の情報を集め、作物の成長に最適な環境を保つ。農地の状態をタブレット端末で「見える化」している。

 対象品目はトマトやキュウリ、トルコギキョウ、アスパラガス、イチゴの5品目。16年度の実績を実証事業前の14年度と比較すると、トマトは労働時間10%減、出荷量11%増、販売額36%増、単価22%増と成果が顕著に現れた。

 また、キュウリは労働時間が20%減で、販売額が17%増。トルコギキョウは労働時間が2%減で、販売額が4%増だった。生産者からは「作物の品質向上につながった」「短縮された労働時間が有効活用できる」など評価する声があった。

 アスパラガスとイチゴは16年度途中から事業を始めたため比較できない。イチゴの実証事業に取り組んでいる北会津町の農家手代木淳さんは「すでに生育に効果が表れた」とし、「労働時間が短縮され、ほかの仕事もできる」と歓迎した。

 市は今月から市内の生産者に養液土耕栽培設備の導入を支援する新事業を始める。総額1600万円で4事業主体に補助する予定。出荷量の増加、品質の向上、作業の省力化を図り、施設園芸農家数の増加や経営規模の拡大を見込む。