古里再興...「解除は第一歩」 浪江JC、事故後初の地元例会へ

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 「ここから始めたい」―。東京電力福島第1原発事故による避難指示が帰還困難区域を除き3月末に解除された浪江町などを活動エリアとする浪江青年会議所(JC)は15日までに、事故後初めてとなる同町での例会を28日に開くことを決めた。同町での例会は6年ぶり。理事長の滝真琴さん(40)=郡山市に避難=は「浪江で例会を開くことが故郷の復興のスタートライン」と町外に散らばったメンバーとともに避難指示が解除された故郷のまちづくりに思いをはせる。

 今月11日夜、浪江町中心部にある同JC事務局に久方ぶりの笑い声が響いた。JCの役員11人が集まり、28日の例会について意見を交わしている。「事業の効果ちゃんと考えてるのか」。荒い言葉には本拠地での活動の高揚感と長年地元で付き合ってきた仲間同士ならではの親近感が宿る。「この雰囲気を待ってたんだ」。滝さんは内心ほくそえんだ。話し合いは3時間に及んだ。

 浪江JCは1979(昭和54)年に創立。浪江、双葉、大熊、葛尾の4町村を活動エリアとしている。原発事故による避難指示が出され、葛尾や浪江の避難指示は多くの地域で解除となったが、大熊や双葉はまだ解除の見通しが立たないままだ。メンバーの多くは地元から離れた中通りなどで避難生活を続けている。例会は避難先の会員の事業所や貸会議室などで続けてきたが、近況を報告し合うたび「これからもJCを続けていけるのだろうか」との不安がよぎった。

 避難指示の解除に合わせて浪江町で例会を開くことを滝さんたちが決めたのは3月末。滝さんは「実際に自分たちで現地に来て、見て、感じることが大事だと思った」と決定の理由を明かす。避難先から時折戻る浪江の町はまだまだ帰還者も少なく、夜になっても家の明かりはまばらだ。ここで例会を開いても大熊や双葉の会員が「避難指示が解除されてもこうなのか」と暗い気持ちになるかもしれないとの思いもある。

 「現状では、JCとして大々的に何かを打ち出すことは難しい」。正直なところ、滝さんも浪江で例会を開いたところで何かが大きく変わるとは考えていない。解除は復興に向けてのスタートなのだと滝さんは思う。だから例会のあいさつではこう言うつもりだ。

 「われわれ青年世代にとっての課題は何なのか、地域にとっての課題は何なのか。実際に浪江に入って生活したり活動しないと分からない。きょうはそのための第一歩だ」