地元支援で自分の店 20日「和食処とのがみ」オープン

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初めて自分の店を出す「和食処とのがみ」の新妻さん

 東日本大震災の津波や火災で甚大な被害を受けたいわき市久之浜町に整備中の商業施設「浜風きらら」はオープンを20日に控え、入居事業者らの準備が大詰めを迎えている。

 「町の明かりを取り戻すために頑張ってきた、浜風商店街の人たちの思いを引き継ぎたい」。初めて自分の店「和食処とのがみ」を出す新妻篤さん(43)は気持ちを引き締める。

 新妻さんは、料理人として自分の店を持つことが幼いころからの夢だった。料理が得意な母親の影響が大きいという。東京や市内などで修業を積んできたが震災が発生し、母光子さん=当時(67)=を亡くした。悲しみに暮れていた中で出店の誘いを受け、「この町の役に立ちたい」と前を向く力にしてきた。店はおでんを中心とし、地元の食材を積極的に活用したり「母の味」をメニューに取り入れたりすることも考えている。

 出店に向けては地元からの多くの支援があった。地元の仲間が内装などを手掛け、浜風商店街での営業を最後に閉店した「石井魚店」からは冷蔵庫などを譲り受けた。「この店には、地元の人たちの優しさが詰まっている。近所の子が地元に帰ってきた時に『おっちゃん、まだやってるのか』と言われるくらい続けたい」。