ICTで『売れる野菜』へ 会津若松・産学官連携、農家利益に成果

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データ収集に協力した会津若松市の農家のミニトマトの出荷の様子=2016年9月

 情報通信技術(ICT)を駆使して「売れる野菜」を作ろうと、会津若松市や東京農大(東京)、イオン(千葉市)が進めている産学官連携事業が2年目を終えた。ICTを使った効率的・効果的な栽培方法や流通システムで、より新鮮でおいしい野菜が生産でき、農家の利益が増加する成果が出始めている。

 事業は2015(平成27)年度から5年計画。ICTを活用して栄養価や鮮度など高い付加価値を持つ農産物を栽培し、農家所得を向上させる狙い。

 トマトやミニトマトなど5品目の土壌状況や成育状況、流通状況のデータを収集している。経験の浅い就農者も技術習得できる仕組みを作り、就農者の増加にもつなげる。

 2年目となった16年度は、生産から販売までのデータを基に、生産の水分や肥料、酸素量の制御、流通・鮮度保持、収穫時間、収穫後の温度管理などで改善を図った。

 その結果、トマトやミニトマトでは糖度や食味値が上がった。流通状況も改善したことで、高機能と高鮮度の野菜となり、営業利益が20%向上した。

 17年度は1、2年目のデータをさらに活用して、より付加価値の高い野菜を栽培していく。さらに「トマトは糖度8度以上」「ミニトマトは10度以上」など具体的な数値目標を立てる。

そして、誰が作っても均一的に目標数値が達成できるような、データに裏付けられた詳細な作業マニュアルづくりを目指していく。

 3月23日には同市で報告会が開かれ、会津各地の生産者約30人と東農大農学部の小池安比古教授らが出席し意見交換。熟練の生産者の勘と経験による生産のデータが収集できたことで、経験の浅い就農者も付加価値の高い野菜が生産できるようになるという。小池教授は「多くの人が成果を出せるようにしたい」と語った。