十万山、消火に苦慮 福島・浪江、隊員に放射線対策も

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 東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域になっている浪江町井手の十万山で4月29日に発生した山林火災で、県や陸上自衛隊は1日、ヘリコプターで上空から消火活動を続けたが鎮火できず、同日午後6時30分に活動を終了した。

 人の立ち入りが通常できない帰還困難区域内の山林火災は、地上での消火活動に制限が多く、関係者は対応に苦慮している。

 「現場まで登山道を歩いて1時間。付近には水利施設もない」と県の担当者。加えて帰還困難区域のため地元消防団員は活動できない。浪江町消防団の佐々木保彦団長(69)は団員が活動できないことに加え「県内外に散り散りに避難している。災害に対する即応性は大きな課題」と危機感を募らせる。

 地上で活動できる双葉地方消防本部の隊員にも壁が立ちはだかる。同本部によると、小雨で火の勢いが弱まったため、隊員45人が1日午後3時ごろから水タンクを背負って入山、30分ほど消火活動に当たった。

 しかし隊員は通常装備に加え、放射線対策のため防護服と全面マスクを装着した。大和田仁消防長(56)は防護服での活動自体が困難な上、「原発事故後、進入路を整備していないため、倒木や高線量の場所が行く手を阻んでいる」と通常の現場との違いを説明する。

 県によると、現場周辺の放射線監視装置(モニタリングポスト)の値に目立った変動はないという。

◆県が線量測定器2台設置

 県は1日、火災現場近くにある双葉町の石熊公民館と大熊町の野上一区地区集会所に大気中の塵(ちり)などを採取して放射線量を測定する機器を各1台設置した。

 測定結果は調査中で2日以降、公表するとしている。