「塚前古墳」全長は120メートル いわき、6世紀で『東北最大』

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福島大が古墳時代後期としては東北最大と発表した塚前古墳。実線は古墳の輪郭=いわき市小名浜

 福島大は10日、いわき市小名浜林城の「塚前(つかまえ)古墳」を調査した結果、全長が最大で120メートルに及ぶ前方後円墳で、古墳時代後期の6世紀の古墳としては東北最大とみられると発表した。東北ではこの時期、大型の古墳の存在は知られておらず、同大は「近畿の大和政権とネットワークを持ち、大型古墳を築ける有力な首長(しゅちょう)(豪族)がいたと推定される。東北、東日本の古代史を見直す必要が出てきた」としている。

 調査に当たった菊地芳朗福島大行政政策学類教授(考古学)が10日、同大の定例記者会見で発表した。発表によると塚前古墳は全長95~120メートル、丸い部分の「後円部」の直径が53メートル、台形部分の「前方部」の底に当たる部分の長さが45~65メートル。東北では古墳時代前期(3~4世紀)には大型の古墳が確認されているが、後期では白河市の「下総塚古墳」(6世紀後半、全長72メートル)を超えて東北最大で、東日本で10位、国内全体でも20位程度の大きさ。

 塚前古墳はこれまで、後円部のみが原形をとどめていた。昨年秋にいわき市教委が行った発掘調査で埴輪(はにわ)群が見つかり、6世紀半ばの古墳と確認した。

 菊地教授と考古学研究室の学生9人が3月14~23日、測量調査を行い、古墳の形を示している1907年作成の「地籍図」や、航空写真も参考に古墳の全容を推定した。

 菊地教授は、前方後円墳がその地域と大和政権との「相互承認」で造られ、地域の実力を示す指標であることを指摘し、「調査結果から歴史をどう評価するか、考えていきたい。古墳時代から次の時代に移り変わる際、東北でどういった人物がどんな役割を果たしたのか、考え直す必要がある」と語った。