浪江の山林火災...12日目「鎮火」 98年度以降最大の焼失面積

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 原発事故で帰還困難区域になっている浪江町の十万山で4月29日に発生した山林火災は出火から12日目の10日午後3時5分、鎮火した。浪江町・双葉町合同災害対策本部によると、焼失面積は速報値で浪江町が22ヘクタール、双葉町が53ヘクタールの計約75ヘクタール。県によると、県が消防防災ヘリを導入した1998(平成10)年度以降では最大の焼失面積で、発生から鎮火に要した時間も最長だった。

 対策本部によると、10日早朝と同日正午に陸上自衛隊のヘリが現場を偵察した際に熱源や煙が確認されず、また、馬場有浪江町長と伊沢史朗双葉町長、大和田仁双葉消防本部消防長が同日早朝と同日午後に上空から現場を偵察、煙や熱源が確認されなかった。これらのことを総合し、鎮火と判断した。対策本部は11日以降も浪江町役場内に設置し、有事の際に対応する。

 体力消耗が影響

 火災の発生から鎮火まで時間を要した要因について、同消防本部は放射線防護のための装備や、現場が急な傾斜地だったことによる隊員らの体力消耗を指摘。また、夜間の活動ができず、夜明けに煙が上がる場所が見つかり熱源を捜した上での対処が続いたことなどを挙げた。

 対策本部によると、この火災によるけが人や民家などへの被害はなかった。また、県によると、火災現場周辺の空間放射線量に大きな変動はなかった。

 県によると、正確な統計が残る1989(平成元)年以降、山林火災で発生から鎮火にかかった12日間の日数は過去最長。これまで鎮火にかかった最長の日数は、2016年3月に伊達市霊山町で発生し約38ヘクタールを焼いた火災で、3日間だった。

 これまで最大の焼失面積は、1996年4月に旧船引町で発生した火災の約115ヘクタール。