歴史ロマン!1500年前に有力者がいた? いわき・塚前古墳調査

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3月に塚前古墳で行われた、菊地教授や学生らによる測量調査

 「100メートルクラスの前方後円墳を造れる人物は、ただ者ではない」。いわき市小名浜林城の「塚前(つかまえ)古墳」が古墳時代後期の前方後円墳として東北最大だったと推定する福島大の調査結果は、従来は近畿の大和政権とのつながりは薄いと考えられていた6世紀の東北に、相応のネットワークを持つ有力者が存在していたことを示した。どんな人物だったのか―。10日の記者会見では、歴史ロマンあふれる調査結果に報道陣の質問が集中した。

 「福島県内の歴史にとどまる話ではない。東日本全体で見ても10番目の大きさで、東日本のこの時期の歴史を再検討する必要が出てきた」。調査に当たった菊地芳朗福島大行政政策学類教授はそう意義を語った。

 菊地教授によると、いわき市ではこれまで、規模の大きくない古墳から高度な副葬品が出土することがあったという。高度な副葬品、大型の墳墓は地域の有力者の埋葬を示唆する。菊地教授は「『なんでこんな立派な副葬品があるんだろう』というのがいわきの特徴の一つだった。100メートルクラスの前方後円墳が見つかって『ああ、やっぱり』という思いもある」と語った。

 菊地教授によると、東北は古墳時代前期(3~4世紀)には大型の古墳が見られるが、その後見られなくなり律令(りつりょう)国家の時代に移っていく、というように考えられていた。「律令国家の直前の古墳時代後期に大型の古墳があったということになると、古墳時代後期の評価も変える必要がある」と強調した。

 調査結果を発表した福島大の定例記者会見では、菊地教授と共に調査に当たった大学院地域政策科学研究科2年の平沢慎さんと行政政策学類4年の加藤柚香さんも出席し、調査の概要などを話した。

 調査結果は来年3月に報告書としてまとめるほか、学会での発表も検討しているという。