民家の歴史資料を保護 大熊町が文化財レスキュー活動

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農機具や機織り機などを搬出した作業 =8日、大熊町

 東京電力福島第1原発事故で全町避難している大熊町は、町内の民家に残された歴史的資料を劣化や消失から守る「個人文化財レスキュー活動」を行っている。

 熊地区(帰還困難区域)の農家で10日までに活動が行われ、倉庫から明治期以降の農機具などを搬出した。町は今後、活動を拡大させ、歴史の伝承に役立てる。

 町内で民家の解体が進み、個人宅にある資料の消失などが懸念されるとともに、町の歴史を後世に伝えていこうと始めた。

 この日は、町教委職員と、町の歴史や自然に詳しい町民でつくる団体「おおくまふるさと塾」の塾生が代々農家だった男性(85)方から搬出し、町内の公共施設に保管した。

 稲作や養蚕の農機具が主だったが、戊辰戦争で使われたとみられる弾薬箱もあり28点に上った。男性は「先人の知恵と技術が凝縮され、先祖が使った農機具が朽ち果てるのは見ていられない」と搬出に一安心。町教委の成田裕学芸員(40)は「多くの貴重な資料を守りたい」と意気込んだ。