記憶後世に...「震災記念公園」完成 記念碑除幕、犠牲者を追悼

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震災記念公園内に除幕された記念碑。手前は流失した民家の井戸跡

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の記憶を後世に伝え、住民の防災意識を高めようと、広野町が津波で被災した沿岸部の下浅見川地区に整備を進めてきた震災記念公園が完成した。震災から6年2カ月となった11日、公園内に建立した記念碑の除幕式が行われ、出席者が犠牲者を追悼し、古里の復興に向け誓いを新たにした。

 町内では津波で2人が犠牲になり、女性1人が行方不明のまま。行方不明の女性には身寄りがなかったため、町が地域住民の意向を踏まえ、流失した女性宅の跡地に公園を整備した。

 公園の面積は約700平方メートル。地域住民の心のよりどころとなっている鹿嶋神社に面し、沿岸部の防災緑地にも近い。記念碑の前に井戸の跡を残し、浜街道の宿場町として栄えた歴史を伝承するようにした。

 記念碑は桜御影石製で高さ1.2メートル(うち台座が0.3メートル)、幅1.2メートル。震災の被害状況や原発事故による全町避難を経て古里の再生に着手した経緯を記録。「将来にわたり震災の記憶を風化させることなく『いのちを守り、人を活(い)かし、未来をつくる町』を標榜(ひょうぼう)する」と決意を刻んだ。事業費は1100万円で、復興交付金を活用した。

 式には約30人が出席、震災が起きた午後2時46分に黙とうをささげた。遠藤智町長は「被災地の記憶を風化させず、後世につないでいく。悲しみは残るが、新たな古里の復興・再生へと大きな一歩を踏み出す」と述べ、木幡浩復興庁福島復興局長、黒田政徳町議会議長らと記念碑を除幕した。

 除幕に加わった地元行政区長の根本賢仁さん(70)も津波で被災しており、「津波にのまれた民家の跡地に記念碑が残ることに大きな意義がある。震災の記憶を忘れず、語り継いでいくことが大切だ」と語った。