富岡で避難解除後初の「田植え」 実証栽培、農業再興を願う

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富岡町で始まった田植え。後方に見えるのは東京電力福島第2原発の排気筒とJR常磐線の復旧工事現場=富岡町下郡山

 原発事故による避難指示が帰還困難区域を除き解除された富岡町で12日、解除後初の田植えが始まった。旧避難指示解除準備区域だった下郡山地区で、農家有志でつくる「ふるさと生産組合」が販売を前提とした4年目の実証栽培に入り、古里の農業再興を願って水田に稲を植えた。

 組合は2013(平成25)年産米で収穫後に全量を廃棄する試験栽培を経て、14年産米から実証栽培を続けてきた。本年産米の作付面積は約420アールで、前年に比べ120アール拡大した。

 県内外の避難先から組合員約15人が集まり、福島第2原発の排気筒やJR常磐線の復旧工事現場を望む水田に田植え機を走らせた。

 これまで組合が生産したコメは放射性セシウム濃度が全て食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を下回った。渡辺康男組合長は「良質で収量の多いコメ作りを目指し、頑張っていかなければ」と意気込んだ。

 町によると、ほかに3軒の農家が旧居住制限区域だった地域で7年ぶりのコメの作付けを予定し、町全体の作付面積は約550アールとなる見込み。ただ、10年産米の作付面積は約560ヘクタールで、今年は震災前の1%にも満たない。

 町は「来年からの本格的な営農再開につなげたい」としている。