「防災に関心」は87.6%...意識高い傾向 福島県民アンケート

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 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故から6年が経過する中、東北大大学院情報科学研究科の河村和徳准教授が県民を対象に実施したアンケート調査で、「大いに」「ある程度」を合わせて「防災に関心を抱くようになった」と答えた人の割合が87.6%となったことが分かった。防災への取り組みに関する意識の変化を問う項目の回答で、河村氏は「被災者意識の継続が防災意識の高さにつながっている」とした上で「避難住民の帰還が進み、仮設住宅が減少する中で防災への関心が減少する可能性がある」と分析している。

 河村氏によると、ほかの被災県と比較して本県は防災意識が高い傾向にあるという。仙台市などではプレハブの仮設住宅暮らしが解消され、被災者が民間の賃貸住宅や公営住宅を活用したみなし仮設住宅で生活しているが、本県では浜、中通りと比べ被害の小さかった会津でもプレハブの仮設住宅への入居が続いていることなどが背景にあると考えられる。河村氏は「生活の中に震災、原発事故の影響が見え、自身を被災者と考える意識が防災意識と連動している」と指摘する。

 県民の被災者意識、認識を問う項目では「被災者だと思う」と回答した人の割合が65.5%を占めた。河村氏がほかの被災県を対象に行った調査では、「被災者だと思う」と回答した人は宮城、茨城両県が50%程度、岩手県が30%程度だった。各県とも発災時と比べると、時間の経過とともに減少傾向にあるが、本県は比較的高い。この結果について河村氏は「原発事故で避難した子どもたちへの偏見や差別が社会問題化する中で、県民の被災者意識は高いままにあるのではないか」と推測する。

 調査は2月中旬から3月上旬にかけて科学研究費補助金による調査研究の一環として、全県から調査対象者を抽出して郵送で行った。1200人が対象となり、42.0%に当たる504人から回答を得た。対象者の年齢は18~70歳。