松江豊寿・春次兄弟の功績たたえる 会津若松・高巌寺で顕彰法要

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祭文を読み上げる長谷川事務局長補佐

 ベートーベンの交響曲第9番(第九)の日本初演に深く関わった会津若松市出身の松江豊寿(とよひさ)と、豊寿の弟で、サイパン島で精糖事業に成功し、「シュガーキング」「南洋開発の父」と呼ばれた春次の功績をたたえる顕彰法要が20日、松江家の菩提(ぼだい)寺の同市の高巌寺で行われた。

 会津第九の会(小熊慎司会長)が、豊寿の命日の5月21日前後に行っている。

 同会会員ら約40人が参列。長谷川巨樹同会事務局長補佐が「松江兄弟の精神を尊び、一日も早く平和な社会を実現したい」と祭文を読み上げた。斎藤勝市副市長、清川雅史市議会副議長が祝辞を述べた。

 元徳島県鳴門市長の亀井俊明全日本「第九を歌う会」連合会名誉会長も参列し、来年の第九日本初演100周年に合わせて演奏会を開催することに触れ「日独中米4カ国から千人を超える人が集まる。世界の平和を発信したい」と述べた。

 豊寿は会津藩士の長男として生まれ、陸軍に入り、板東俘虜収容所長に就いた。ドイツ兵捕虜を人道的に扱い、捕虜は地域住民との温かい交流に感謝し、日本で初めて第九を演奏した。

 弟春次は米国で製糖技術を学び、日本で初めて角砂糖を開発。第1次大戦後はサイパン島で製糖事業に成功、南洋群島の教育と医療施設の充実にも力を注いだ。

 会津第九の会は年内にも松江豊寿、春次顕彰会を設立しようと準備を進めている。

 松江兄弟とゆかりがある団体などに参加を呼び掛けており、来年は第九の日本初演100周年の節目に当たることから、2人の偉業をたたえ、その精神と魂を後世に継承するため、顕彰活動を活発化させる考え。