「湯川米」守れ!村が動きだす 後継者に不安...農業法人設立へ

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 「コメ1俵」のふるさと納税で有名な「湯川米」のブランドを守ろうと、湯川村は本年度、村内の水田でコメ作りを請け負う第三セクターの農業法人を設立する方針を固めた。ふるさと納税は好調だが、「後継者確保に不安」というのが理由。ふるさと納税の返礼品として全国的に知られるようになったコメを将来につなぐため、村が動きだす。

 「コメ作りは村の基幹産業。生産を守るための努力を続けたい」。湯川村役場で25日に行われたふるさと納税受け付け業務開始式。三沢豊隆村長は、職員を前に決意を語った。

 昨年度、村に寄せられたふるさと納税の寄付総額は3億2800万円。県市町村財政課によると、県内の市町村で最も多い。村の歳入約25億円(本年度当初予算)の10%以上に当たり、今や村政運営に欠かせない収入源だ。

 人気を維持する同村のふるさと納税だが、今年に入り水を差される事態に見舞われた。ふるさと納税で自治体間の競争が過熱している現状を踏まえ、総務省が各自治体に返礼品の調達費用を寄付額の3割以下に抑えるよう要請したためだ。

 村にも24日、同省から直接文書が届いた。要請を踏まえ、村はコメ1俵(60キロ)の返礼品を本年度は50キロに減らした。先行きが不透明となる中、三沢村長は「将来に向け湯川米を守るため、農業法人の果たす役割は大きい」と設立の意義を語る。

 農業法人は、村とJA会津よつばの共同出資を想定。両者は設立に向けた協議会を設置した。今冬以降に法人をつくり、来年度から職員が農作業に従事できるよう調整を進める。

 具体的な業務は、高齢化などを理由に作付けが難しくなった村内の水田でコメ作りの委託を受ける。請負面積は当面、村内の水田約1000ヘクタールの20分の1に当たる約50ヘクタールとする方針だが、将来的には約300ヘクタールまで増やす考え。農家経営を圧迫しない範囲で仕事を請け負い、農地の保全につなげる。

 村内では、専業など主に農業で生計を立てる農業就業者数が1995(平成7)年に2795人いたが、高齢化などを理由に2015年には486人まで減少。平均年齢も54.4歳から59.6歳まで上がっている。