横浜の教員、放射線教育難しさ実感 いじめ防止へ本県で研修

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真剣な表情で本県教員の話に聞き入る参加者=14日午後、県環境創造センター

 「横浜で放射線をどう教えればいいか」。東京電力福島第1原発事故で本県から横浜市に避難した男子生徒へのいじめ問題を受け、同市教委が14日、三春町で授業を行う富岡町の小、中学校などで教員研修を実施した。県外教員による大規模な研修は初めてで、本県の現状や放射線について正しい理解を広める第一歩として期待される一方、今回の成果をどう発信し、いじめ防止につなげるかについては手探りの状態が続く。

 研修には同市内の小、中学、高校、特別支援学校の教員や同市教委の職員約90人が参加した。富岡町の児童、生徒が学ぶ仮設校舎で授業や震災に関する展示を見学。富岡一小の岩崎秀一校長(58)が、中学3年までに第三者に放射線について正しく説明できるよう教育していると紹介した。

 三春町の県環境創造センターで行った本県教員との意見交換では、横浜市の教員から「子どもの心のケアで大切にしていることは」「避難中の子どもたちの古里を愛する気持ちをどう育てるか」などの質問が出た。

 参加した幸保(こうぼ)陽子主幹教諭(48)は「復興が進んだ部分と、課題が残っている部分があるということを学んだ。この現実を切実感を持って伝え、教職員の意識を高めたり、子どもの指導に役立てることが大切」とした上で「年に1回や2回の放射線教育だけでは子どもの中にしっかり定着しない。各教科の中でしっかりと進める必要がある」と、放射線教育の難しさを指摘した。

 同市教委は来年度以降も、本県での研修を継続していく方針だ。小林力教育次長(58)も視察後、「今回見たことや感じたことをいかに発信していくかが今回の研修のテーマだ」と強調した。市教委は今後、市内の公立学校全508校の人権教育担当者による研修などを活用して研修の成果を発信する機会を設けていく予定だ。今回の研修の成果を生かした各学校での今後の取り組みが注視される。