観衆熱狂『21世紀の戦国絵巻』 相馬野馬追本祭り「神旗争奪戦」

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激しく御神旗を奪い合う騎馬武者たち=30日午後、南相馬市・雲雀ケ原祭場地

 国の重要無形民俗文化財「相馬野馬追」の本祭りは30日、南相馬市原町区の雲雀ケ原祭場地で行われ、約440騎の"相馬もののふ"が勇壮な甲冑(かっちゅう)競馬と神旗争奪戦を繰り広げた。祭場地には約3万8000人(主催者発表)が詰め掛けた。

 南相馬市の市街地に集結した騎馬武者は本陣のある祭場地に向けて進軍。甲冑競馬では、背中に挿した色とりどりの旗をなびかせた騎馬武者が人馬一体となり1周約1000メートルのコースを疾走した。神旗争奪戦では、約250騎の騎馬武者が、花火とともに打ち上げられ、上空から落下する御神旗を目指し殺到。会場狭しと入り乱れる騎馬武者の姿に、観光客から歓声が上がった。

 昨年から同市小高区で復活した「火の祭」は、雨天が予想されたため、8月19日に延期された。

 最終日の31日は同市小高区の相馬小高神社で、白装束の「御小人(おこびと)」が素手で裸馬を捕らえる神事「野馬懸(のまかけ)」が行われる。

 本間さん一番旗!喜びの『復興元年』

 南相馬市で30日に行われた相馬野馬追最大の呼び物・神旗争奪戦。20発の花火で打ち上げられたうち、1発目の御神旗を手に羊腸の坂を駆け上がったのは、昨年7月に一部を除いて避難指示が解除された同市小高区の本間隼人さん(25)=小高郷騎馬会=だった。「一番旗を取ってやろうと臨んだ。とても気持ちが良かった」。狙い通りの戦果に笑みがこぼれた。

 本間さんは小高区出身で今回が10度目の出陣。震災と原発事故後、相馬市に避難したが、避難指示の解除直後、古里に帰還した。

 今年の野馬追は小高区での行列が7年ぶりに復活し、同騎馬会にとって「復興元年」。御神旗を持って地元に凱旋(がいせん)した帰り馬行列では本間さんの武勲を祝うアナウンスが流れ、沿道の住民から祝福を受けた。「小高での野馬追も震災前に戻りつつある。地元の方とのつながりを感じることができた」。自分の活躍で復興元年に花を添えた。