正確な情報発信必要 「いちえふ」漫画家・竜田さん、福島県で講演

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 東京電力福島第1原発で作業員として働いた経験を漫画「いちえふ」に描いた漫画家の竜田一人(たつたかずと)さんは16日、福島県南相馬市で講演し、「今後も福島の正確な情報を発信していきたい」などと語った。竜田さんが県内で講演するのは初めてで、同市の市民団体「ベテランママの会」(番場さち子代表)が主催した。県内外から約60人が来場した。

 竜田さんは覆面姿で登場。原発で働くことを決めた理由について、「2012(平成24)年当時、福島に関するひどいデマが世間で流れていた。自分の目で見て、きちんと現場を確かめたかった」と語った。

 震災と原発事故から6年以上がたった現在、「今もなお首都圏の人から『福島って大丈夫なの?』と聞かれる。九州の方では福島について関心すらなく、風化が進んでいる」などと語り、正確な情報発信の必要性を説いた。

 質疑応答では、来場者から「デマと真実の見抜き方は」「漫画の描写がリアルだが、どのようにして記憶していたのか」などの質問が飛んだ。このうち「なぜマスクをしているのか」という問いに竜田さんは「また原発で働きたい。顔を出すと迷惑を掛けることもあるかもしれない」と答えた。

 講演会の途中、竜田さんは「歌でも記録を残したかった」と、震災と原発事故後の浜通りをテーマに自身が作詞、作曲した歌を披露。原発事故の対応拠点に使われたサッカー施設Jヴィレッジから福島第1原発までの国道6号周辺の街並みの情景を歌詞にした「ルート6」など計3曲を歌い上げ、会場を盛り上げた。