「ウルトラマン」フジ・アキコ隊員役・桜井浩子さんに聞く

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 福島市のとうほう・みんなの文化センター(県文化センター)で開かれている「ウルトラマン 光の物語展」では、ウルトラシリーズの原点となる「ウルトラQ」から最新作「ウルトラマンジード」まで、作品に関するさまざまな展示が人気を集めている。歴代作品の出演俳優に撮影時の思い出や作品の魅力などを聞いた。

 ―ウルトラQで特撮番組出演の仕事が来たときの印象は。
 「ウルトラQは、ウルトラシリーズの最初。私は東宝から女優として参加したが、円谷英二監督(同作品では監修)はじめ東宝、テレビ局もものすごい力の入れようで、どうなっていくか興味深かった」

 ―ウルトラQは途中から怪獣中心のドラマになった。
 「当時私たちは路線が変わったことを知らされておらず、佐原健二先輩(俳優。同作品で万城目淳役)から『どうやら怪獣ばかりが出る内容になるらしいよ』と聞かされた。そんなふうに現場が変わっていくので、ついて行くのが精いっぱい。全員で手をつないでけもの道を歩いて『そっちは危ないぞ!』とか言われているような感じ。若かったからついて行けたが、今だったらとんでもない」

 ―ウルトラマン全39話の中で印象に残る回は。
 「台本をもらって心打たれたのはジャミラ(※)の話。普通の女の子が読んでも気持ちが持っていかれる。初めて、自分がいい作品に出たなと感じた」

 ―ウルトラシリーズは何を伝えようとしたのか。
 「一言で『これ』と言うのは難しいが、ウルトラQから今に至るまでのクリエーターたちが、時代に応じて魂や根っこのようなものをそれぞれの脚本にして、私たちがそれに乗っかって隊員を演じ、子どもたちが共感してくれたのだろう」

 ―県民へのメッセージを。
 「円谷英二監督の故郷の須賀川市も(震災の)被害が大きかったと聞く。ウルトラマンシリーズを見て、元気を出してほしい。人間の力、特に女性のパワーは強い。皆さん体を丈夫にして立ち上がってほしい」

 さくらい・ひろこ 1946(昭和21)年、東京都生まれ。「ウルトラQ」(66年)で江戸川由利子役。「ウルトラマン」(66~67年)でフジ・アキコ役を務めた。71歳。

 (※)『ウルトラマン』第23話「故郷は地球」に登場。水のない惑星に不時着し、助けられないまま怪獣の姿へと変化した宇宙飛行士の復讐を題材にした。勧善懲悪に収まらないストーリーはシリーズ中の傑作として支持されている。