海釣り公園復活へ 19年度にも新地町、震災前より拡張

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「海釣り公園」の地図

 福島県新地町は東日本大震災の津波で失った海の観光資源の復活に向け、相馬港5号ふ頭にある「町海釣り公園」を復旧する方針を固めた。

 工事は本年度から2カ年にわたるため、再開は早くて2019年度中の見込み。釣りデッキを震災前より拡張して入場定員数を増やすほか、津波など災害への安全対策も強化する。

 海釣り公園は2009年4月、相馬共同火力新地発電所の温排水に魚が集まり、良好な釣り場として知られる5号ふ頭に開園された。新地町観光協会が運営。10年度は県内外から約6千人が利用し、多くの釣り客でにぎわっていた。しかし、震災の津波で防波堤や管理棟などが被災した。

 町は再開を目指し、14年度に調査業務に着手。県相馬港湾建設事務所や相双漁協、地元釣り愛好団体、警察、国などで構成する協議会を設置し、安全で魅力的な釣り場の実現に向け、防波堤利用の安全対策などの検討を重ねてきた。

 復旧に当たり、釣りデッキを沖にせり出した北防波堤側に約60メートル延ばし、入場定員数を震災前の25人から、約40人に増やす計画。

 安全対策では、地震や津波などの災害時にスムーズに避難するため、釣りデッキの近くに駐車場を新設、車が走行する通路を広くし、防災無線も整備する。

 具体的な再開時期について町は、関係者と協議して決める方針。町企画振興課は「新地は海の町で、海の復興が最も重要。津波で大きな被害を受けた場所の復活を復興の象徴にしたい」と期待を込める。

 「生きている間に、あのにぎやかだった海釣り公園をもう一度見たい」。震災前に海釣り公園の開設に尽力し、ボランティアとして釣りの指導員を務めてきた新地町の釣りサークル「愛釣会」の中島昭さん(73)は、再開の方針を喜ぶ。

 さまざまな魚種が釣れる海釣り公園には、全国から釣り客が訪れた。中島さん自身、初めて170センチ級のヒラマサを釣ったことは今でも忘れられない。「新地の復興のためにも再開は重要」。海釣り公園が再開したら、再び指導員を務め、町のにぎわい創出に貢献する意気込みだ。