残り7メートル...「凍土遮水壁」完全凍結へ 2~3カ月後完了

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凍土遮水壁を全面凍結するため冷却材を流す管の栓を開ける作業員=22日午前9時すぎ、東京電力福島第1原発

 東京電力福島第1原発の汚染水対策で、1~4号機建屋周囲の地中に氷の壁を築く「凍土遮水壁」を巡り、東電は22日、全長約1.5キロのうち建屋西側(山側)に残った約7メートルの未凍結部分の凍結を始めた。地盤の凍結は2~3カ月後に終わる見込み。昨年3月末から段階的に凍結を進めて以来、1年5カ月を経てようやく完全凍結の見通しが立った。

 政府と東電は凍土壁が完成すれば、原子炉建屋内に流入する地下水量を現在の1日当たり140トンから100トン未満に減らせるとみている。政府と東電が汚染水の発生量を減らす対策の「切り札」と位置付け、建設に約350億円の国費が投じられた凍土壁の真価が問われる。

 凍土壁は1~4号機建屋を囲うように1568本の凍結管を地中30メートルまで埋め込み、マイナス30度の冷却材を循環させて地中に氷の壁をつくる仕組みだ。

 東電によると未凍結だった部分は2、3号機原子炉建屋の間で、西側に約40~50メートル離れた場所。11本の凍結管を使って、約7メートルの範囲の地盤を凍らせる。

 22日の作業は午前9時に始まり、約30分で終わった。全面マスクと防護服姿の作業員3人が手順を確認しながら凍結管11本の栓を開け管の中に冷却材を流し入れた。現場の放射線量は毎時約100マイクロシーベルトだった。凍土壁が完成すれば、建屋周囲の地下水位が大きく下がり建屋内の汚染水の水位と逆転、汚染水が漏れ出す恐れがあり、東電には安全対策の徹底が求められている。

 現場に立ち会った資源エネルギー庁の木野正登廃炉・汚染水対策官は「凍土壁が安定的に運用されることが重要だ。凍土壁とさまざまな汚染水対策を組み合わせ、効果を上げていく必要がある」との認識を示した。