「デブリ取り出し」課題に議論 札幌で原子力学会大会が開幕

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 日本原子力学会の秋の大会が13日、札幌市で開幕した。初日の分科会では、東京電力福島第1原発から事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)を取り出す課題についての議論が行われた。廃炉に向けた技術開発を進める国際廃炉研究開発機構(IRID)は、デブリ取り出し作業を通じて新たな放射性物質を放出させないような安全システムの構築の必要性を訴えた。大会は15日まで。

 1~3号機のデブリ取り出しを巡っては、原子炉格納容器全てを水で満たさない「気中工法」の採用を決定。原子炉格納容器底部の横側からデブリを取り出す方針だ。

 IRIDは、デブリ取り出しにどの手法を採用したとしても、住民や環境を放射性物質から守るための最低限の約束事が必要だとして〈1〉燃料を冷却する機能〈2〉気体や液体を問わず作業で放射性物質を外部に出さないようにする〈3〉火災や事故などで新たな放射性物質を生み出さない―などの観点から、安全を確保する仕組みづくりを訴えた。

 具体的には、特殊な機具を使ったデブリの切除作業などで発生が見込まれるちり状の放射性物質を外部に出さないようにする空調管理システム、作業を通じてデブリが核分裂反応を起こす「臨界」を防ぐシステムづくりを目指す。IRIDは「デブリ取り出しのガイドラインは存在していない。実際の作業に入る前に安全を担保する仕組みを作るべきだ」と主張した。

 分科会には東電や原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)も参加、廃炉に関する技術で関心も高く、会場では立ち見も出た。