震災6年半、復興の課題は 衆院選公示

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 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から6年半が経過し、本県では避難指示解除が進む一方、県産品の風評被害など復興の光と影が混在する。今回の衆院選を前に本県復興に向けた課題を改めて探る。

【双葉郡の再生】

◆復興拠点整備柔軟な対応を

 富岡町、浪江町、川俣町山木屋、飯舘村に出された避難指示が帰還困難区域を除いて解除されて半年が経過。帰還の動きは鈍いものの、住民の奮闘は続いている。

 県全体に占める避難指示区域の割合はピーク時の12%から2.7%に縮小。帰還困難区域を抱える自治体では特定復興再生拠点の整備に向けた準備が進み、国には自治体の要望に沿った柔軟な対応が求められる。

【廃炉】

◆溶融核燃料の詳細これから

 福島第1原発1~3号機に残る溶融核燃料(デブリ)の取り出しは2021年内に開始する方針だが、原子炉格納容器内にあるデブリの詳細な位置はつかめていない。

 汚染水対策では、放射性トリチウムを含む処理水の処分方法が決まっておらず、敷地内に増え続ける。

 県や県議会が求めている福島第2原発の廃炉については、存廃の方針さえ示されていない。

 廃炉作業は本県復興の最重要課題。国や東京電力には安全対策はもちろん、英知を結集した「オールジャパン」で臨む姿勢が重要だ。

【社会福祉】

◆介護や福祉の人手不足深刻

 原発事故後に双葉郡内で事業再開または継続している介護・福祉施設では人手不足が深刻だ。

 郡内では事故前、48事業所が特別養護老人ホームなどを運営していたが、地元町村で再開したのは37・5%に当たる18事業所(7月現在)。

 国も財政支援を進める考えだが、住民の帰還に向けた福祉サービスの充実は待ったなしだ。

【復興支援体制】

◆復興庁の機能具体像示さず

 2016(平成28)~20年度は政府の復興・創生期間に当たり、20年度には復興政策を管轄する復興庁の設置期限が終了する。政府は復興庁の機能を存続させる考えだが、具体像は示されていない。

 政府は復興・創生期間の5年間で必要な予算を6兆5千億円と見込む。

 特定復興再生拠点の整備に加え、県産品への風評対策など課題が山積する中、必要な財源をどう確保するか。国の手腕が問われている。

【地方創生】

◆人口減に拍車取り組み急務

 少子高齢化に加え、原発事故に伴う避難が本県の人口減少に拍車を掛けている。県の推計人口は昨年11月に戦後初めて190万人を下回り、雇用創出など地方創生の取り組みが急務となっている。

 県人口の減少率(2015年国勢調査、10年調査との比較)は全国で最も高い秋田県(5.8%)に次ぐ5.7%となっている。東京一極集中の是正に向け、地方の魅力をどう発信するか。国と地方をつなぐ国会議員の役割は大きい。  

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