富岡産米を日本酒に...「町民に元気を」 夜の森イベント販売へ

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 富岡町でコメ作りに取り組む「ふるさと生産組合」は町商工会と連携し、富岡産の県オリジナル米「天のつぶ」を使った日本酒造りに乗り出す。東京電力福島第1原発事故による避難指示が帰還困難区域を除いて解除され、本格的な復興へ歩み出したことから、関係者は「町民に飲んでもらうことで元気づけたい」と意気込んでいる。完成した日本酒は来年1月の町の新春交歓会で振る舞うほか、夜の森地区の桜の開花に合わせたイベントで販売する計画だ。

 同組合は避難区域だった下郡山地区で2013(平成25)年にコメの収穫後に全量を廃棄する試験栽培を始め、14年産米から出荷を前提とする実証栽培に切り替え、富岡町の農業の今後を模索してきた。日本酒造りの構想は昨年から温め、2年越しで夢がかないそうだ。

 今年は420アールの田んぼに「天のつぶ」ともち米を作付けした。酒米には収穫した約210キロ(7袋分)の天のつぶを使う。酒造りは会津錦(喜多方市)に依頼、純米吟醸酒に仕上げる。

 酒造りに当たり、町民から名称を募集する。同組合や町商工会、町、町内の酒店などが早ければ月内に協議会をつくり、準備を本格化させる。

 組合長の渡辺康男さん(67)は「6次化が進むことで町民が農業の復興を実感し、元気が出る一助になれば」と胸を膨らませる。

 本年産米の出荷に向け今月、組合員とボランティアら約40人が稲刈りをした。昼食で参加者に新米のおにぎりと豚汁が振る舞われ、恵みの喜びをかみしめた。先に収穫した新米は全袋検査で放射性物質濃度が検出限界値未満となり、安全が確認された。渡辺さんは「試験栽培を含め5年目の収穫の秋だが、今年は格別な喜びと充実感がある。来年以降も組合員が一体となり、農業復興に寄与する活動を展開したい」と話している。

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