【望郷の絆(中)】福島県産品の商機後押し 南加県人会

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招待客に県産日本酒の魅力を伝える熊田さん(右)と礼子さん(右から2人目)=在ロサンゼルス日本国総領事公邸

 きりっと冷えた福島の地酒が並ぶテーブルの前には人だかりができ、県産の牛肉やモモのジャムを使った小皿料理にも次々と箸が伸びる。

 知事の内堀雅雄の米国訪問に合わせて18日夜に在ロサンゼルス日本国総領事公邸で開かれたレセプションでは、現地の招待客が福島の味覚を堪能した。

 「良いものは良い。ロサンゼルスは合理主義者が多く、風評なんて気にしない」。招待客に地酒の魅力を伝えながら、南カリフォルニア(南加)県人会長の熊田るみ(53)=いわき市出身=は断言した。

 地元の大学で数学講師を務める熊田は、今年8月に設立110周年を迎えた南加県人会の歴史の中で初の女性会長。幹部職を含め高齢化が進む中、元県人会長の小山信吉(82)=二本松市出身=らから「女性ならではの力を発揮し県人会活動に活力を」との期待を受けて今年2月に選出された。

 レセプションでは、日本酒ベースのカクテルを振る舞うなど工夫を凝らして県産品をPRするアイデアも熊田が発案、現地住民の関心を引き寄せることに成功した。

 多くの県人会員が住むロサンゼルスは映画産業の中心地・ハリウッドを有するなど抜群の知名度を誇り、世界中から人が集まる全米有数の大都市。それだけに「ビジネスチャンスがある」と熊田は震災後、帰国する度に特に疲弊していると感じていた本県の中小企業にロサンゼルスでの販路開拓を提案する。

 「震災前からロサンゼルスで日本酒以外の福島の商品を見たことがない」と熊田は他の産品の参入も促す。ロサンゼルスで活路を望む企業があれば、県人会の先人たちを含め1世紀以上にわたり現地で築いてきた人脈を生かし、商機を後押しする考えだ。

 熊田のリーダーシップに感化され、県人会活動に参加し始めた礼子・ジュノー(44)も「PRなどで手伝えることは多い」と意気込む。帰還困難区域が残る富岡町夜の森地区出身なだけに、故郷の復興に懸ける思いは人一倍強い。

 「私たち県人会も福島の将来にチャレンジしていく」。熊田は力強いまなざしで支援を誓った。

  (文中敬称略)

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