【福島中央道開通・つながる福島-米沢】時間短縮で運転にゆとり

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東北中央道の福島大笹生IC―米沢北IC間。トンネルの左手前のチェーン脱着場と除雪ステーションで、冬期間の安全確保を図る

 「開通は本当にうれしい。毎日利用したい」。東京電力福島第1原発の事故で福島市から山形県米沢市に一家5人で自主避難する自営業湯野川政弘さん(63)は4日の東北中央道福島大笹生インターチェンジ(IC)―米沢北IC間(35.6キロ、無料区間)の開通を待ちわびる。

 湯野川さんは国道13号を使って毎日片道1時間半かけ福島市内へ通勤している。しかし台風21号が本県に接近した10月23日は連続雨量が180ミリを超え、福島市飯坂町中野―米沢市板谷間の約19キロが未明からほぼ半日通行止めとなった。湯野川さんは、米沢市から喜多方市に抜ける国道121号「大峠道路」を迂回(うかい)路とし、通常より通勤に1時間多く時間がかかった。

 さらに冬期間心配されるのが雪。国土交通省福島河川国道事務所によると、国道13号の栗子峠では昨年度、雪の影響による大型車などの立ち往生が約130台発生した。東北の立ち往生の発生件数は168台で、うち栗子峠が7割以上を占める。大雨や風雪による栗子峠の通行止めは2004(平成16)年度から16年度まで12年で56回に上った。

 国道13号に比べ、福島大笹生―米沢北間は標高が低く勾配が緩やかな上、複数のトンネルが整備されたことで天候の影響を受けにくくなることが期待される。湯野川さんは「通勤時間が短くなり、体も楽になる。より安全に運転し、心にゆとりが生まれると思う」と話す。

 一方、相馬市を起点とし、福島市、山形県の米沢市、山形市、新庄市などを経由して秋田県横手市で秋田道に連結する総延長268キロの東北中央道の整備促進は東北全体の高速道路網の強化につながる。

 福島河川国道事務所の石井宏明所長(43)は「自然災害に左右されにくく、目的地までの時間を計算しやすくなることが相乗効果を生み出す」と強調。信頼性の高い道路網を基盤に、広域観光の連携や企業誘致が拡大する未来を描く。

 東北中央道のうち、20年度の全線開通を目指し整備が進められている復興支援道路「相馬福島道路」が開通すれば、相馬市と米沢市をつなぐ横断軸が完成する。石井所長は、震災と原発事故からの復興の加速化や地方創生に果たす東北中央道の役割を踏まえながら「安全、安心な道路網を一日も早く整備できるよう、関係機関と一層連携して整備を進めたい」と語る。

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