コメ全量全袋、17年度内に『新検査』方向性 福島県が検討会合

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 東京電力福島第1原発事故後、県内全域で行われているコメの全量全袋検査を巡り、新たな検査方法の検討会合が8日、福島市で開かれ、より効率的な検査方法への移行に向けた方向性を、県が年度内にまとめることを確認した。将来的な見直しに向け、消費者や生産者らの理解をより多く得られる検査方法を打ち出せるかが今後の課題となる。

 県や農業・消費者団体などによる検討会合では、県が県内外の消費者2070人を対象にしたアンケート結果を初めて公表。「段階的に縮小」や「別な方法」などを含め「検査を見直すべきだ」とする回答が44.4%に当たる計920人に上った一方で「検査は継続すべきだ」は669人(32.3%)となった。縮小や廃止に向けた方策では、野菜や果物などと同様に1市町村当たり数点を抽出する「サンプル検査」が59%で最も多かった。

 県は、生産者や卸業者、有識者らへの聞き取り調査でも、数年の間には検査を見直すべきだとする意見が多数だったことも報告した。その上で、新たな検査方法への移行に加え、風評対策としての側面も担う全袋検査をすぐには見直さず、移行時期を決め、丁寧に説明しながら見直すことなどを検討課題として提案。委員から異論は出ず、検討の方向性を共有した。

 原発事故で避難指示が出た12市町村については、営農再開や検査の状況を注視しながら、当面は全量全袋検査を継続する必要性が確認された。

 天野亘県農林水産部次長は福島民友新聞社の取材に「現行検査体制をいつまでも続けられない。しかしすぐにはやめられないという現状認識が共有できた。今後も広く意見を聞き慎重に検討を進めたい」と述べた。

 会合に出席した委員の一人は取材に対し「まだ、さまざまな方向性がある。国が実施している県産品の流通実態調査や風評対策などの効果も踏まえ、検討を進めてほしい」と語った。