避難地域で「薬局」開設 住民健康管理、次世代型モデル薬局へ

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 県は、東京電力福島第1原発事故で避難指示が出た12市町村の地域で避難指示解除後も大部分の薬局が再開されない現状を踏まえ、NPOなどによる新規薬局の開設を支援する。健康管理支援や地域包括ケア支援の視点から住民帰還を促進させる取り組みで、開局する薬局では調剤業務にとどまらず、住民の健康管理を主眼に置いた次世代型のモデル薬局を目指す。

 10日に開かれた県議会政調会で井出孝利保健福祉部長が明らかにした。今月下旬に県と薬局のない関係町村や医師会、薬剤師会などで構成する協議会を設置し具体的な検討に着手する。

 県によると、避難指示が出た12市町村の地域では震災前、31カ所の薬局が開局されていたが、現在は小高調剤薬局(南相馬市小高区)と広野薬局(広野町)の2カ所。採算性や薬剤師の高齢化、後継者不足などで再開が進まないのが現状だが、町村や薬剤師会などからは増設に向けた支援を求める要望が出されていた。県は2020年度までに、富岡、浪江、楢葉、飯舘の4町村に各1カ所の開設を目標に、再開や新規開局への支援体制を整備する方針。

 県の構想では、新設薬局はNPOなどが運営を手掛けることを想定。薬局内には調剤設備のほか、健康相談窓口、検体測定室などを設け、調剤業務に加え未病段階での健康管理なども担う。薬局と保健センターや病院・診療所などを結ぶシステムを構築し、薬剤師による個別訪問で帰還した高齢者らの健康管理を支えるほか、医師やケアマネジャーに患者情報を伝えるなど、地域包括ケアシステムの構築も図る。新たな薬局の業務に対応できる薬剤師の育成に向け、研修費用を補助する事業も始める。

 一方、12市町村内の医療機関(病院、診療所、歯科診療所)は震災前100カ所だったが、現在は27カ所にとどまっている。県は双葉郡の医療再開支援として施設整備や運営費の補助、医療従事者の人件費助成などを行っており、薬局の再開と両輪で進め、住民の帰還を医療面から支える。

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