やっぱりいた!アカハネバッタ 昆虫好き大学院生が地道な調査

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アカハネバッタの標本(左が雄、右が雌)を持つ発見者の緒勝さん

 環境省のレッドリストで絶滅の危険性が極めて高い「絶滅危惧1A類」に分類されているアカハネバッタ。県内で初めて確認されたことを受け、発見者の福島大大学院共生システム理工学研究科博士後期課程2年の緒勝(おかつ)祐太郎さん(26)が16日、同大で記者会見した。2~3年にわたり県内10カ所近くを探し回り、ついに発見。「やっぱりいたんだ、と思った」。緒勝さんは飛ぶと真っ赤になる美しいバッタを見つけた瞬間の感動を口にした。

 アカハネバッタは雄2.5~3センチ、雌3~4センチ程度で、後ろの翅(はね)の一部が赤いのが特徴。県のレッドリスト改訂のための調査に当たった緒勝さんらが今年夏、会津地域で発見した。局地的に生息し、数は非常に少ないという。

 緒勝さんによると、アカハネバッタはロシアやモンゴルなど広い地域に、国内でも東日本に広く生息していた記録があったが、1986(昭和61)年の新潟県の記録を最後に約30年間、確認例が途絶えていた。生息に適した草原環境がなくなったことが理由という。

 しかし2015年以降、長野、山形、新潟の3県で生息確認が発表された。山形県米沢市出身の緒勝さんは「福島にもいるんじゃないか」と考えて調査を始めた。自然豊かな環境で育ち、子どもの頃から昆虫好き。大学ではオサムシの生態を研究しているが、アカハネバッタとようやく出会った感動を「見つけた時はうれしかった」と振り返った。

 記者会見には、担当教員の塘(つつみ)忠顕共生システム理工学類教授(50)が同席した。塘教授は当初、緒勝さんが撮った写真を見ても信じなかったという。「実際に飛んでいる姿を見て、非常に美しく、感動した。草刈りなど手を入れることで維持される草原環境が生息場所で、守るには人間が協力していかなければならない」と保全を訴えた。

 種の保存法の国内希少野生動植物種に指定され、捕獲は原則禁止。塘教授は「どこかほかでも細々と生きているかもしれない。見つけたら県や環境省、大学に連絡してほしい」と語った。

 緒勝さんは来年3月発刊の日本昆虫学会の和文誌に論文を発表する。違法な捕獲などを防ぐため、発見場所の自治体名などは非公表にしている。