「天皇陛下」2019年4月30日退位 福島県民に寄り添い続ける

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モモの生産農家を訪れ、「献上桃」の産地を視察された天皇、皇后両陛下。あいにくの雨にもかかわらず、傘を手に生産農家の話に耳を傾けた=2015年7月16日

 政府は1日、天皇陛下の退位日決定の前提となる皇室会議を宮内庁で開き、陛下の退位日を2019年4月30日と決めた。議長を務める安倍晋三首相が明らかにした。皇太子さまが翌5月1日に即位、改元する。政府は12月8日にも閣議でこの退位日を定める政令を正式決定する。新元号は国民生活への影響を最小限に抑える観点から、来年半ばに公表する方針だ。天皇退位は1817年の光格天皇以来、約200年ぶりで、現行憲法下では初めて。

 天皇陛下は2011(平成23)年3月の東日本大震災の後、地震と津波で大きな被害を受け、原発事故の影響で苦しむ県民に寄り添い続けてきた。たびたび本県の被災地や避難所に足を運んで被災者をいたわったほか、復興に向け歩む県民を励まし勇気づけた。天皇陛下の退位日が決まった1日、県民からは震災後の陛下の心遣いやこれまでの長い労苦に対し感謝やねぎらいの言葉が寄せられた。

 天皇、皇后両陛下が2013(平成25)年と15年に本県を訪問された時に交流した桑折町のモモ農家南祐宏(まさひろ)さん(42)は「これまでご苦労も多かったと思う。悔いのないように全うしていただきたい」と話した。

 両陛下は13年7月、皇室に贈られる「献上桃」の産地の同町を視察予定だったが、豪雨災害の影響で中止となり、南さんは懇談の場でねぎらいの言葉を受けた。15年7月にモモ畑の視察が実現し、南さんは両陛下に生育状況などを説明した。「モモ作りに詳しく、勉強なさってこられたのだと感じた」と振り返る。

 全国植樹祭「芝の上歩かれる姿を」

 来年6月に南相馬市で天皇陛下を迎えて行われる全国植樹祭の会場となる同市原町区雫(しどけ)地区で、震災直後から行政区長を務めた阿部喜良(きよし)さん(69)は「復興へと向かう南相馬の姿を見ていただき、全国に情報発信する機会になれば」と、期待を込める。

 震災後、阿部さんら地元有志10人が設立した農事組合法人「ふぁーむ・しどけ」で栽培した芝が、植樹祭の会場で使われる。「本県最後のご公務となるかもしれない。私たちが丁寧に栽培した芝の上を元気に歩かれる姿を、早くお目にかかりたい」と話した。