政府が風評問題特化『戦略』 放射線知識、県産食品、観光誘客

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 政府は12日、東京電力福島第1原発事故による本県への風評被害を払拭(ふっしょく)するための「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」を策定した。政府が風評問題に特化した戦略を策定するのは初めて。依然として風評問題が解決しない現状を踏まえ、「知ってもらう」「食べてもらう」「来てもらう」の三つの視点で伝える対象や内容を絞り、複数のメディアを活用した情報発信力を強化する。

 戦略は関係府省庁が連携して取り組むための統一的な方向性を示すもので、大学教授や医療関係者などの意見を参考にした。復興庁は年度内に戦略に基づく新しいパンフレットを作り、関係府省庁の取り組みを促す方針だ。

 「知ってもらう」では、避難児童へのいじめが各地で発覚したことを受け、教職員や児童、生徒に対する放射線教育の充実を図る。教諭向けの研修会の回数を増やすほか、「日常生活で放射線被ばくはゼロにはできない」「放射線はうつらない」といった基本的な知識を理解してもらうため、小、中学、高校で使う副読本を本年度中にも改訂する。

 「食べてもらう」では、小売り・流通業者や在京大使館などに対し、県産農林水産物の魅力やおいしさを第一に、厳格な放射性物質検査の実施なども発信。外交ルートなどを通じ、輸入規制の緩和・撤廃に向けた働き掛けにも継続して取り組む。

 観光がメインの「来てもらう」では、空間放射線量が全国や海外の主要都市とほぼ同水準であることを分かりやすく説明。修学旅行生や外国人観光客の呼び込みを後押しする。また、風評問題に継続して取り組むため、関係府省庁の対策を検証する体制も整備する。

 戦略は12日の「原子力災害による風評被害を含む影響への対策タスクフォース(作業チーム)」で決定。吉野正芳復興相(衆院福島5区)は特に放射線教育について「副読本の作成にとどまらず、実際に児童、生徒や教師、保護者にも伝わる仕組みづくりを併せて行う」と述べ、関係府省庁に教育現場での着実な実施を指示した。