楢葉のコメで地酒造り 新たな特産で復興へ、会津美里で仕込み

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「楢葉の風」のパネルを持つ(左から)渡辺会長、白井代表、松本町長

 楢葉町と町商工会などの団体・事業所が原発事故の風評払拭(ふっしょく)に向け、町内で収穫した酒造好適米「夢の香」を姉妹都市・会津美里町の蔵元で仕込む日本酒造りを始動させた。酒を新たな特産にし、復興につなげる。

 事業名は「楢葉の酒づくりプロジェクト」。プロジェクト委員会会長の渡辺清町商工会長と松本幸英町長、発起人の一人で楢葉町に工場を新設した恵和興業(仙台市)の堀切吉雄執行役員・復興事業本部長が12日、会津美里町の白井酒造店を訪れ、白井栄一代表と共に酒の名称を「楢葉の風」に決めた、と発表した。

 「日本酒で人と人との輪を広げたい」。事業には堀切執行役員の熱い思いがあった。楢葉町の復旧・復興工事が進む中、がれきなどが置かれたままになっている田畑を目にした。町や地元団体の関係者、農家を巻き込み、今年10月に事業をスタート。「夢の香」を作付けし、一升瓶約2500本分の原料に当たる約4.3トンを今秋に収穫した。

 純米大吟醸酒と特別純米酒を醸造する計画で、純米大吟醸酒は来年1月下旬に仕込んで同3月中旬に出荷する。特別純米酒は同2月上旬の仕込みで、4月の出荷予定だ。楢葉町振興公社や地元のコンビニなどで販売する。

 楢葉の風は白井酒造店の人気銘柄酒「風が吹く」にならい、楢葉町に新しい風を吹かせたいとの願いが込められている。松本町長は「町の思いを酌んだ酒に育てたい」、白井代表は「心を込めて良い酒に仕上げたい」と語った。