震災の記録・記憶『見える化』 国交省、新プロジェクト着手へ

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 国土交通省は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の風化が進む現状を踏まえ、本県を含む被災地の記録・記憶を継承する新たなプロジェクトに着手する。記録・記憶の「見える化」をプロジェクトの骨格に据え、震災遺構や追悼施設の取り組みを支援する。16日、仙台市で開いた同省と被災3県知事らによる復興加速化会議で示した。

 被災地で整備が進む震災遺構や追悼施設の案内看板を統一する。震災関連施設を示すピクトグラム(絵文字)を作成し、看板に表示することで、初めて見る人にも分かりやすくする。岩手県釜石市で一部試合が行われる2019年のラグビーW杯や、福島市で野球・ソフトボールの一部競技が行われる20年東京五輪で国内外から多くの人が訪れることを見据え、複数県にまたがる被災地ツアーのモデルコースも提案する。

 このほか道の駅での情報発信強化や各施設のマップ化、被災地の定点写真を使った復興の記録の発信などを想定している。具体的な内容や実施時期については今後詰める。

 震災から6年9カ月がたち、被災3県では、自治体やボランティア団体などが施設整備や語り部の活動など震災の記録・記憶を残すさまざまな取り組みを実施している。各地で個々に行っている取り組みに統一感を持たせることで、情報発信力を高める。震災と原発事故の複合災害を受けた本県については特に、複合災害の厳しさや復興に向けた取り組みなど、正確な情報が伝わるよう発信方法を検討していく。

 石井啓一国交相は会議で「震災の記録や記憶を生かし、教訓を伝える取り組みを進めていきたい」と述べた。内堀雅雄知事は「祈念公園の整備などは今後本格化する。福島が復興を成し遂げるまで必要な予算を措置してほしい」と求めた。