松江豊寿の功績後世に 来年「第九」初演100周年、若松でプレ公演

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会場全体に「第九」の合唱を響かせる出演者

 第1次世界大戦中、板東俘虜(ふりょ)収容所(現・徳島県鳴門市)のドイツ兵捕虜がベートーベンの交響曲「第九」をアジアで初めて演奏してから来年で100周年となるのを前に、会津若松市の會津風雅堂で17日、100周年プレ公演「会津『第九』演奏会」が開かれた。

 捕虜を人道的に扱い、第九演奏につなげた当時の収容所長・松江豊寿には旧会津藩士の血が流れる。約250人の合唱団は来年の"本番"に向けて松江の功績をさらに広めようと、高らかに声を響かせた。

 「年末を中心に全国各地で『第九』が演奏されているが、会津にとってはさらに特別な意味を持つ」。

 演奏会を主催した会津第九の会会長で衆院議員の小熊慎司さんは、松江の故郷・会津で演奏会を開くことの意義を強調した。

 小熊さんによると、鳴門市では7、8割の人が松江を知っているが、会津で松江を知る人は半数に満たないというアンケート結果があるという。会津第九の会は、来年9月24日に全日本「第九を歌う会」連合会とともに100周年記念公演「会津第九演奏会2018」を開く予定で、小熊さんは「多くの人に松江の故郷を訪れてほしい」と願う。

 17日のプレ公演には、会津第九の会などの大人約110人に会津高、葵高、会津学鳳中・高、会津若松ザベリオ学園中・高の生徒約140人が加わり、総勢約250人が江川龍二さん、桜田康弘さんの2台のピアノ演奏に合わせて第九の「歓喜の歌」を響かせた。  

 会場を訪れた観客は「生徒らのフレッシュな声が楽しめた」と語った。演奏会に参加した会津高合唱部の渡部蒼(あおい)さん(2年)は「重厚なハーモニーを楽しみながら演奏できた。アジア初演のきっかけを知り、松江の功績を調べながら臨んだことも意義深かった」と話した。