追悼・祈念施設は2案 浪江・前田川北側、21年3月一部完成

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復興祈念公園の計画案

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の犠牲者を追悼する国営追悼・祈念施設(仮称)について、国土交通省は20日、浪江町両竹(もろたけ)地区の前田川北側に整備する政府案を示した。震災と原発事故から丸10年となる2021年3月までの一部完成を目指し、祈りの場や式典広場、展望地など施設の具体的な空間構成の検討を進める。

 国や県などで組織し、復興祈念公園の基本計画を検討する有識者委員会で示した。前田川北側を最適な立地環境とした条件について東北地方整備局は、津波の避難場所となった両竹山を背後とし、丘や広場を整備できる平地があり、震災の原因となった海(震源方向)や第1原発を望めることなどを挙げた。立地について、双葉、浪江の町長ら委員から異論はなかった。

 会合では、委員会下部の空間デザインを検討する作業部会が〈1〉祈りの場となる円環状の丘や式典広場を、前田川より内陸部(北側)に整備する〈2〉前田川をまたいで祈りの場となる円形の丘を配置し、丘の頂上を式典広場とする―二つの空間構成検討案を初めて示した。両案には、花と緑を育む場や伝統行事を継承する場などの配置も盛り込んだ。

 双葉町の伊沢史朗町長は〈1〉案について「双葉町に整備されるアーカイブ拠点施設や産業交流センターとの一体性、徒歩での移動などを考えると北に位置しすぎではないか」と指摘。浪江町の本間茂行副町長は「いずれの案にしても、来訪者が公園内を散策できる動線が大切」と語った。

 委員長の横張真東大大学院教授は取材に「2案の折衷ということではなく、意見を踏まえてもう一度検討を深めたい」と述べた。追悼・祈念施設は双葉、浪江両町にまたがる復興祈念公園の中核で浪江町への整備が閣議決定されている。有識者委は作業部会の検討を踏まえ、18年3月末までに基本計画案をまとめる。