お疲れさま...「災害FM」閉局へ 地元密着放送局に大きな転機

  このエントリーをはてなブックマークに追加 
放送の準備をする今野さん(右)。「住民のため精いっぱい放送する」と話す=南相馬市役所

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後、富岡町が開局した臨時災害放送局「おだがいさまFM」が本年度で放送を終了し、閉局することが26日決まった。同じく南相馬市の臨時災害放送局「南相馬ひばりエフエム」も本年度末の閉局を検討していることが同日までに関係者への取材で分かった。震災発生から来年で丸7年。被災地で災害情報や生活情報などを発信してきた地元密着の放送局は大きな転機を迎えた。

 形を変えて継続希望

 「おだがいさまFM」は震災後、川内村や富岡町の住民が避難していた郡山市のビッグパレットふくしまで開局し町民らに親しまれた。2011(平成23)年8月末で一時閉局したが、その後、町民らの要望を受け同市富田町の仮設住宅内にある高齢者等サポート拠点「おだがいさまセンター」で12年3月に再開。町社会福祉協議会が運営し、同市内の一部をエリアに放送を続けてきた。

 町の担当者は閉局について「震災から6年以上が経過し、臨時災害FMとしての役割は薄れてきた。避難指示も一部で解除され、形を変えた方がいいという結論になった」と説明。来年度以降は「まだ検討段階」とした上で、「郡山市や富岡町をはじめ、全町民に情報を届けられる方法を考えている」とした。

 出演経験がある同市の男性(74)は「ファンは多かったと思う。ただエリアが限定されているなど課題もあった。終わるのはさみしい気持ちもあるが、形を変えて継続してもらえたらうれしい」と話した。

 コミュニティー移行も

 「南相馬ひばりエフエム」は11年4月に開局。南相馬市役所内の一室に設けたスタジオから生活情報や復旧・復興に関連する情報を届けてきた。現在は芥川賞作家柳美里さん(49)=同市小高区在住=の番組「柳美里のふたりとひとり」などが人気を集めている。

 同エフエムは当初、震災発生後2年で終了の予定だったが、市の復興は終わらないとして放送を延長してきた。しかし昨年7月に帰還困難区域を除く地域で避難指示が解除され、既に1年以上が経過したことなどから一定程度の役割を果たしたとして、市は本年度末での閉局を検討している。市の担当者は「住民に身近なメディアとして役割を果たしてきたが、あくまで臨時的な放送局。今後はコミュニティー放送への移行も視野に入れている。最終的な判断は1月中旬以降になる見通し」と説明。市によると、運営には復興庁の復興交付金を活用しているが、年間約2500万円がかかるという。

 同局のチーフディレクター今野聡さん(47)は「臨時災害放送局として残された時間、住民のために精いっぱい放送したい」と話す。