あの頃の夢に再会 双葉町の新成人、タイムカプセル開封

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思い出の詰まったタイムカプセルを開ける双葉町の新成人

 原発事故で全町避難が続く双葉町の新成人が3日、福島県いわき市で、小学6年時に封をしたタイムカプセルを開けた。町内の小学校は2校とも帰還困難区域にある。除染されていない校庭に埋められたタイムカプセルは掘り出せないが、今回は、保護者が町内の自宅で保管し、原発事故後も避難先で大切に管理し続けたため日の目を見た。

 「人生はうまくいっていますか。家族とは仲良く暮らしていますか」

 タイムカプセルには「20歳の自分へ」と書かれ、成人した自分に宛てた手紙が入っている。封をしたのは2010(平成22)年3月23日。保護者の女性(53)が、より安全に管理しようと、自宅に置いた。封をした翌年に原発事故が起こったが、双葉町への最初の立ち入りで自宅から持ち出し大切に保管し続けた。

 同町教委によると、町内の2小学校の卒業生は、校庭にタイムカプセルを埋める場合が多い。同教委が把握している中で、原発事故後に開封したのは今回が初めてという。

 新成人は、小学6年時の自分から送られたメッセージに笑顔を浮かべた。

 東京の専門学生、男性(19)の手紙には「福島高専に行き、科学者になっている」。男性は、福島高専に進学したが、3年目に退学。現在は音楽の専門学校に通い、録音機器を操作する「レコーディングエンジニア」を目指す。男性は「今はもっとやりたいことができた。将来は音楽で古里に勇気を届けたい」と膨らむ夢へ意気込んだ。

 東京の大学の看護学部で学ぶ女性(20)は「『人生はうまくいっていますか』などと書いてあった。原発事故があって、うまくいっていると言えるか分からないけど、前向きに捉えて生きている。将来は双葉郡で看護の仕事をしたい」と古里の復興の一助になる決意を語った。