新産業創出へ再エネ技術事業化支援 福島県、3年間30%目標

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 県は新年度、県内企業が開発した再生可能エネルギー技術の事業化に向けた支援策を強化する。産業技術総合研究所(産総研)の支援を受け、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後に再生エネ分野で開発した企業の技術について、2018年度から3年間で30%を事業化することを目標に、製品化や販路開拓を後押しする。再生エネ分野で本県産の「売れる製品」をつくり、新産業創出の動きを加速させる。

 茨城県つくば市に本部を置く産総研は13年度から、東日本大震災の被災3県の企業に対する再生エネの技術開発を支援してきた。14年4月には福島再生可能エネルギー研究所を郡山市に開所し、原発事故に見舞われた本県の企業を中心に再生エネ分野への参入を促している。

 県内では33社が再生エネ分野に進出し、太陽光発電施設の故障診断や風車の発電効率向上、水素利用蓄エネルギーを有効活用するための熱交換技術、地中熱を利用した電子機器類の排気冷却システム、人工知能(AI)を活用した小水力発電所維持管理の高度化など延べ82件の技術開発に着手している。県はこのうち約3割で製品化など事業化を進めたい考えだ。

 本県企業の技術開発件数は全体の8割を占め、再生エネ分野で最先端の知見や研究施設を持つ産総研の協力を得て多くの本県企業が技術開発を進めている。

 事業化支援の予算規模は9億3000万円となる見通し。新年度からは個々の技術の事業化支援に乗り出す。性能評価や技術指導など産総研による技術的な支援に加え、昨年4月に発足したエネルギー・エージェンシーふくしま(郡山市)がビジネス面でもサポート。販路開拓や国内外企業とのマッチングのほか、特許や商標の取得といった知的財産戦略などで支援する。

 併せて再生エネ技術に関する人材育成にも力を入れる。日大工学部や東北大など地元の大学院生を産総研に受け入れ、共同研究を行う。事業化により革新的な製品を売り出すことができれば、再生エネ先進地としての本県を国内外にアピールできそうだ。