第1原発・処理水放出...「決定の時期」 更田規制委員長が見解

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放射性トリチウムを含む処理水について「意思決定の時期がきている」との見解を示した更田委員長

 東京電力福島第1原発事故で避難指示が出た市町村を訪れている原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長が11日、いわき市など4市町を訪問し、首長と意見交換した。清水敏男いわき市長との会談で更田氏は、第1原発から出る、汚染水を浄化した後の放射性トリチウム(三重水素)を含む処理水について「今年の大きな議論だ。意思決定をしなければならない時期にきている」と述べた。

 処理水について更田氏は「貯蔵タンクに貯留し続けられるのは2、3年程度。希釈して放出するにしてもその準備に2年以上かかる」との見解を示し「多くの人が受け入れ難い判断とは理解しているが、福島第1の廃炉を前に進めるには速やかに決断すべき時がきている」と話し、決断に向けては東電が主体的な役割を果たすべきだと強調した。

 風評被害については「科学的、技術的に見れば環境や海産物に影響が出ることはないが、気持ちの問題もある」として、漁業関係者らの合意を得ることが大切と指摘した一方で「いたずらな意思決定の先送りが許されるものとは思っていない」とした。

 更田氏はこれまで一貫して「希釈して海洋放出するのが現実的で唯一の選択肢」と発言。処分方法を巡っては、経済産業省の小委員会が社会的影響を含めて議論している。

 会談ではこのほか、清水市長が福島第2原発の廃炉の早期決定や浜通りの復興の先導役としての避難12市町村に入らない同市の支援について要望した。

 この日はいわき市と楢葉、広野、富岡の3町を訪問。前委員長の田中俊一氏(福島市出身)も同行している。12日は大熊、双葉の両町を訪れる予定だ。